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ppb - Paldio Phone Book v0.0
for HP 200LX / FreeBSD + Paldio611S
− PHSの電話帳を読む −
Copyright (C) 1998 by Dai ISHIJIMA

☆はじめに

1998年12月に、 NTT DoCoMo関西の「PIAFS 64k通信試験モニタ」にど ういうわけか当選し、パルディオ611Sを入手することができました。そ こでいろいろ触っているうちに、「マニュアルに記載されていないATコ マンドを使うと、PCから PHSの電話帳データにアクセスできる」ことが わかりました。

ところで、携帯電話やPHSなど、 メモリ機能のある電話機の取扱説明 書には必ず次のような記述があります。

    誤操作・電気的雑音・故障・修理などによって、大切なデータが消
    えてしまう恐れがありますので、電話帳に登録した内容は「紙など
    に」控えておいてください
しかし、PHSの小さなボタンを操作しながら、 覚えさせた電話帳をいち いち紙に書き写すのは面倒です。せっかくPCにつながるんですから、電 話帳のデータを一発でPCに転送したいと思うのが人情ってもんです。

そこで、PHSともども普段から持ち歩いている200LXで電話帳のデータ を読むプログラムをつくってみました。このプログラムは電話帳に登録 されている件数、各レコードの番号、名前、名前のよみ、第一電話番号 を表示します。

☆使用上の注意

このプログラムの運用によって生じる結果について、作者は一切の責 任を負いません。最悪の場合、 などの事態も予想されます。これらの危険があることを了解された方の みご使用ください。

☆動作環境

このプログラムはHP 200LXならびにFreeBSDで動きます。 対象とする PHS端末はNTT DoCoMoのシャープ製パルディオ611Sです。他のPHS端末お よびPIAFSデータカードでは動かないばかりか、 端末ならびにデータカ ードにとりかえしのつかない不具合が発生するかも知れません。少なく とも、パルディオ314SとDC-1Pの組合せでは動作しませんでした。

なお、これは単なる推測にすぎないのですが、最近のシャープ製パル ディオ (33?S) とファームウェアをバージョンアップした DC-2Sの組合 せ、あるいは341Sなら使えるのではないかと思います。ですが、それら の機種を持っていないのではっきりしたことはわかりません。

☆アーカイブファイルの中身

配布アーカイブファイル ppb00.lzh には、 が入っています。200LXで使う場合は、ppb.exeを解凍して、パスの通っ たディレクトリに置いてください。 FreeBSDで使う場合はmakefile.bsd を使ってコンパイルし、 実行形式ファイル (ppb) をパスの通ったディ レクトリに置いてください。

☆使用方法

使用時の書式は、
    ppb [-シリアルポート速度] [PHS接続ポート]
です。速度を省略した場合は9600bps、PHS接続ポートを省略した場合は COM2:を使います。200LXの場合は何も指定する必要はないでしょう。な お、他の通信ソフト同様、システムマネージャの配下ではない、いわゆ る「生DOS」で使ってください。 使用例を以下に示します。
    200LXでの使用例
        C:\>ppb
            ~~~
    あるいは、
        C:\>ppb -2400 com2: > phone.txt
            ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    など。

    FreeBSDでの使用例
        % ppb -115200 /dev/ttyd2 | nkf > phone.txt
          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    など。
いずれの場合も、下線部を入力します (行頭の「C:\>」などは入力しま せん)。 実行すると、
    3/150 valid records found in phone book
      0 いしじま        いし    069203830
      1 かふぇぱら      かふ    0357447525
      2 まりだす        まり    0928523235
のように電話帳のデータが表示されます。最初の行は、電話帳に登録し てある件数です。 2行目以降は、各レコードの番号、名前、ソート用の 読み、第一電話番号がそれぞれ表示されます (注: この例で表示してあ る電話帳は架空のものです。ちなみに電話番号はニフティのアクセスポ イントの番号を使っています)。

☆今後の予定

電話帳データへの書き込み、 特に、200LXのPhoneBook (*.pdb) 形式 のデータおよびCSV形式のデータをPHSに転送する機能を実装できればい いな…と考えています。

次版を年内に発表できれば、大阪の市内局番4ケタ化や携帯・PHSの11 ケタ化がらみで幸せになれるかもしれませんが、今は某コミケの準備な どに追われているので無理かもしれません (^^;) (_ _)。

☆おことわり

このプログラムは (狭義の) フリーソフトウェアです。パブリックド メインソフトウェア (PDS)、シェアウェアではありません。このプログ ラムの著作権は、作者である いしじま☆だい が所有しています。

このプログラムの運用によって生じた結果については一切責任を負い かねますのでご了承ください。使用前にはディスクのバックアップをと ったり、電話帳のデータを紙などに書き写したほうがいいかもしれませ ん (これでは本末転倒ですねぇ ;^^)。

このプログラムの全部、または一部をそのまま利用して商用目的のプ ログラムを作成することはご遠慮ください。

フリーソフトウェアの作成や個人的な範囲での利用が目的の場合は、 このプログラムの全部、または一部をそのまま利用してもかまいません。 他機種への移植や他のオペレーティングシステムへの移植およびフリー ソフトウェアとしての公開は大歓迎です。その場合、作者への連絡は不 要です。 (でも、報告してくれたり、ドキュメントに一筆書いてくれた り、さらには、そのソフトのソースを公開してもらえると非常にうれし いです。)

このプログラムを再配布する場合は、アーカイブファイル ppb00.lzh に含まれるすべてのファイルを変更せずにそのまま配布してください。 このプログラムを BBSや anonymous ftpなどで再配布する場合は電子メ ールなどでご連絡いただけるとありがたいです。

☆参考文献

☆余談 − パルディオ611Sと200LX

64kデータ通信モニタの募集要項には、「Windows95/98が動作する PC カードスロットを備えたノートパソコンでのみ接続保証」と書かれてあ りますが、200LXでも611Sは使えるようです。 ここで「ようです」と書 いたのは、実際に200LXでPPPを使ってインターネットなどに接続したわ けではないからです。 単に内蔵アプリケーションのDataCommから64k通 信対応のアクセスポイントにダイヤルして、ちゃんと接続できるという のを確認しただけ… (^^;) です。 ようするに、ATDTでダイヤルして、 「CONNECT PROTOCOL:PIAFS64 COMPRESSION:NONE」というPIAFSレベルの リザルトコードを見たというか (苦笑)。

それから、わたしの611Sは、 デフォルト設定では64k通信対応の地域 からは、64k通信非対応のアクセスポイント (PIAFS用NIFTY ROAD7など) に接続することができませんでした。いろいろ調べた結果、ATコマンド でS141レジスタを0にする (ATS141=0) と64kモードが無効になり、 32k 通信ができるようになりました。 この状態だと、DataCommからPIAFS用 NIFTY ROAD7への接続も問題ないようです。


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