ハードディスク消去ツール「wipe-out」 version 0.6 〜 簡単操作でハードディスクのデータを消去する 〜 Copyright (C) 2005 by Dai ISHIJIMA ●はじめに パソコンの譲渡時や処分時に、ハードディスクのデータが消されずに 残っていることが原因で、個人情報や企業情報などが漏洩することが問 題となっています。 この「ハードディスク消去ツール『wipe-out』」を使うと、簡単に、 かつ安全に、ハードディスクに記録されているデータを消去することが できます。このツールは、ハードディスクにデータを上書きすることに よって、記録されていたデータを消去します。 ●アーカイブファイルの中身 配布アーカイブ wpout06f.lzh には、以下のファイルが入っています。 readme06.txt このファイル wpout06f.flp フロッピーイメージファイル ●ディスクのデータを消すには Windowsパソコンをお使いの場合は、「rawrite」や「fdimage」など のツールを使って、フロッピーイメージファイル wpout06f.flp を、フ ロッピーに書き込んでください。FreeBSDのダウンロードサイトなどで 配布されている「rawrite」を使う場合は、次のようにします (アーカ イブファイルを「c:\tmp\」ディレクトリに展開した場合)。 C:\>rawrite \tmp\wpout06f.flp a: Linuxや*BSDなどのPC-UNIXをお使いの場合は、ddコマンドでフロッピ ーに書き込んでください。FreeBSDだと次のようにします。 # dd if=/tmp/wipe-out-06f.flp obs=9k of=/dev/rfd0 以上のような手順でフロッピーを用意できたら、そのフロッピーをデ ータを消去したいパソコンにセットし、フロッピーからパソコンをブー トします。 フロッピーからブートすると、次のようなメニュー画面が表示されま す。(なお、以下の例は、IBM DJNA-352030 をつないだパソコンでのも のです。実際には、お使いのハードディスクの情報が表示されます。) *** Hard Disk wiping tool "wipe-out" *** current disk: /dev/ad0 capacity: 20,415,144,960 bytes (19G) 0: write "0" onto the disk 1: write "1" onto the disk 2: write random data onto the disk 3: select disk 4: erase data with muliple writing 5: select multi-write method 6: verify disk (quick) 7: verify disk (normal) 8: dump sector 9: set sector number to dump a: run shell (sh) b: reboot c: shutdown enter number [0-9a-c]: ここで、ハードディスクの型番 (「current disk」の右) および容量 (「capacity」の右) がデータを消去したいハードディスクのものであ るかどうかを確認してください。表示されているハードディスクのデー タを消去する場合は、「enter number [0-9a-c]:」のところで、「0」 を入力してください。 上のメニューで「0」を入力すると、次のように、再度、ディスクの 型番と容量が表示され、「Ok? [y/n]」と確認メッセージが表示されま す。 *** erase data on ad0 , 20,415,144,960 bytes with writing '0' onto the disk Ok? [y/n]: データを消去する場合は、ここで「y」を入力してください。「y」以外 の場合は、最初のメニューに戻ります。「y」を入力した場合は、 Really? [yes/no]: と、しつこく確認メッセージが表示されます。データを消去する場合は、 「yes」を入力してください。「yes」以外を入力した場合は、最初のメ ニューに戻ります。「yes」を入力すると、データの消去が始まります。 データの消去中は、次のように進捗状況が表示されます。 erasing data on disk: ad0. 18% done 0%|#########_________________________________________|100% データの消去に要する時間は、お使いのハードディスクの容量やパソ コンによって異なります。ハードディスクの容量が小さく、パソコンの 処理速度が速ければ、消去に要する時間は短くなります。作者の環境で は、80Gバイトのハードディスクのデータ消去に45分ほどかかりました (CPU Intel Celeron 1.1GHz、マザーボード ASUS TUSL2-C、ハードディ スク Seagate ST380021A)。 データの消去が終わると、 completed Press ENTER to return menu... というメッセージが表示されます。ここで、エンターキーを押すと、最 初のメニューに戻ります。 ●データを消去するディスクを選択する 最初のメニューで「3」を入力すると、次のようなメニューが表示さ れ、データを消去するディスクを番号で選択することができます。 ** select a disk to erase data 0: ad0 20,415,144,960 bytes (19G) 1: da0 19,921,628,160 bytes (18G) which drive to erase data? [0-1]: ●どんな方法でデータを消去するか このツールでは、ハードディスクに記録してあるデータを消去する方 法として、次の3通りの方法を選択できます。 ・0を上書きする ・1を上書きする ・乱数を使ってでたらめなデータを上書きする ・複数回データを上書きする それぞれ、最初のメニューの0、1、2、4に対応しています。先の例で は、「0」を入力して、「0で上書き」する方法を説明しましたが、 「enter number [0-9a-c]:」のところで、「1」や「2」を入力すれば、 「1で上書き」や「乱数で上書き」でディスクのデータを消すことがで きます。 ●複数回書き込みで念入りにデータを消去する データを一度上書きするだけでは安心できないというケースでは、複 数回にわたってデータを上書きしてデータを消去することもできます。 最初のメニューで「4: erase data with muliple writing」を選択する と、複数回書き込みを実行します。どういうデータを上書きするかは、 「5: select multi-write method」からサブメニューを呼び出して選択 します。 ●対応機種について ・本ツールは、FreeBSD/i386が動作するコンピュータで利用できます。 ・本ツールでデータを消去できるストレージデバイスは次のとおりで す。 ・FreeBSDのインストール用カーネルでad0, ad1(ATAディスクコ ントローラドライバ ad(4) で扱えるディスク)および、ahc(4)、 sym(4) SCSIホストアダプタに接続され、da0, da1(SCSIダイ レクトアクセスデバイスドライバ da(4) で扱えるディスク) として認識されるストレージデバイス ・一般的なATAディスク (ad(4)) ・Adaptec AHA-2940シリーズ (ahc(4))、Tekram DC-390シ リーズ (sym(4)) およびそれらの互換SCSIホストアダプ タに接続した一般的なSCSIディスク (da(4)) ※ ad(4), da(4), ahc(4), sym(4) の詳細については、FreeBSD 4.x のマニュアルページなどをご覧ください。 ●おことわり ・本ツールは、OSとしてFreeBSDを利用しています。 ・本ツールはフリーウェアです。著作権は、作者である いしじま☆だい が保有しています。 ・本ツールを利用した、あるいは利用しなかったことによって生じた いかなる結果についても、作者は責任を一切負いません。 ●参考文献 ・社団法人 電子情報技術産業協会 (http://www.jeita.or.jp/japanese/index.htm) 「パソコンの廃棄・譲渡時のハードディスク上のデータ消去に関す るご注意」(http://it.jeita.or.jp/perinfo/release/020411.html) ●姉妹品の紹介 最近のパソコンは、フロッピーディスクドライブを搭載していないも のもあります。このようなパソコンでは、本ツールの姉妹品「CD-ROM版」 をお使いください。「CD-ROM版」では、メッセージは日本語で表示され、 メニューの選択をカーソルキーで行えます。以下に「CD-ROM版」でのメ インメニュー画面を示します。 +----------------- ハードディスク消去ツール『wipe-out』 -----------------+ | ★メインメニュー★ | | 現在選択中のディスクは /dev/ad0 です。 | | ディスクの容量は 20,415,144,960 バイト (19G) です。 | | 以下のメニューから処理を選択してください。 | | | | +--------------------------------------------------------------------+ | | | z 0を上書きして、このディスクのデータを消す | | | | f 1を上書きして、このディスクのデータを消す | | | | r ランダムデータを上書きして、このディスクのデータを消す | | | | s 別のディスクを選択する | | | | n 複数回上書きして、このディスクのデータを念入りに消す | | | | m 念入り消去の上書き方法を選択する | | | | c データが消去されたか確認する (高速/一部をチェック) | | | +-----v(+)-----------------------------------------------------------+ | | | +------------------------------------------------------------------------+ | [ OK ] Cancel | +------------------------------------------------------------------------+ 本ツールおよび姉妹品は、作者のウェブサイトで公開しています。ア ドレスは http://hp.vector.co.jp/authors/VA004814/ です。必要に応 じてダウンロードしてください。 ハードディスク消去ツール「wipe-out」v0.6 Copyright (C) 2005 by Dai ISHIJIMA