ハードディスク消去ツール「wipe-out」 version 1.0
                    for Linux-based Live CD
        〜 簡単操作でハードディスクのデータを消去する 〜
            Copyright (C) 2001-2010 by Dai ISHIJIMA

                 ※微妙に実物と違う点があります

●はじめに

  パソコンの譲渡時や処分時に、ハードディスクのデータが消されずに
残っていることが原因で、個人情報や企業情報などが漏洩することが問
題となっています。
  この「ハードディスク消去ツール『wipe-out』」を使うと、簡単に、
かつ安全に、ハードディスクに記録されているデータを消去することが
できます。このツールは、ハードディスクにデータを上書きすることに
よって、記録されていたデータを消去します。


●アーカイブファイルの中身

  配布アーカイブ wpout10u.tgz には、以下のファイルが入っています。

      readme-eucjp.txt    このファイル
      wipe-out.sh         メインプログラム
      erase.sh            ディスクのデータを消去するスクリプト
      seldisk.sh          消去するディスクを選択するスクリプト
      dummyread.sh        キーの先読みをキャンセルするスクリプト


●プログラムの起動方法

  Ubuntu、Puppy Linux、SLAXなどのLive CDを使い、シェルからroot権
限で、配布アーカイブに含まれる wipe-out.sh を実行してください。
以下に、各Live CDの起動方法およびアーカイブのダウンロード・展開、
メインプログラム wipe-out.sh の実行方法を説明します。

  【LiveCDおよびシェルの起動】

    ○Ubuntu (ubuntu-ja-9.10-desktop-i386.iso) の場合
      ・CDからブートし、F4キーを押して「セーフグラフィックススモ
        ードでUbuntuを起動」を選んで起動します (標準でもかまわな
        いかもしれません)。
      ・「アプリケーション」→「アクセサリ」→「端末」と選んで
        「GNOME端末」を起動します。
      ・シェルのプロンプト「ubuntu@ubuntu:~$」が現れます。

    ○Puppy Linux 4.3.1JPの場合
      ・「セーフティモード (Puppy Linux Safe mode)」で起動します。
      ・キーボードレイアウトは機種に応じた適切なものを選択してく
        ださい。
      ・シェルのプロンプト「#」が現れます。

    ○SLAX (slax-ja-6.1.2-2) の場合
      ・「Slax Text Mode (Run Slax in textmode and start command
        prompt only)」で起動します。
      ・「slax login:」のログインプロンプトが出たら、画面の指示
        にしたがってrootでログインします。
      ・シェルのプロンプト「root@slax:~#」が現れます。

  【アーカイブのダウンロード】
      インターネットに接続できる環境であれば、wgetコマンドを使い、

          wget 'http://www.wheel.gr.jp/~dai/software/wipe-out/wpout10u.tgz'

      としてアーカイブをダウンロードしてください。ネットワークが
      利用できない場合は、事前にダウンロードしたアーカイブをUSB
      メモリやフロッピー経由でコピーするといいでしょう。

  【アーカイブの展開】
      tarで展開します。たとえば、

          mkdir wipe-out
          cd !$
          tar xzvf ../wpout10u.tgz

      とします。

  【プログラムの実行】
    ○Ubuntuの場合「sudo sh wipe-out.sh」と入力します。
    ○Puppy Linuxの場合「sh wipe-out.sh」と入力します。
    ○SLAXの場合「sh wipe-out.sh」と入力します。


●プログラムの使いかた

  メインプログラム「wipe-out.sh」を起動すると、次のようなメイン
メニュー画面が表示されます。以下の例は80Gバイトのハードディスク
を接続した場合のものです。実際には、お使いのハードディスクの情報
が表示されます。

        *** Hard Disk wiping tool "wipe-out" ***

        Current Disk /dev/sda: 80.0 GB, 80026361856 bytes

            0: write "0" onto the disk
            1: select another disk
            2: dump sector
            3: set sector number to dump
            4: run shell (sh)
            5: reboot
            6: shutdown
            7: exit

        enter number [0-7]:

  このプログラムは、画面に表示されるメニューに対し、対応する数字
などを入力する対話形式で使用します。


●ディスクのデータを消す

  まず、メインメニューに表示されている、デバイス名 (この例では 
/dev/sda) と容量 (この例では80GB) がデータを消去したいハードディ
スクのものであることを確認してください。表示されている内容が間違
いなければ、「enter number [0-7]:」のプロンプトに対して「0」を入
力してください。

  メインメニューで「0」を入力すると、次のように、再度、ディスク
のデバイス名と容量が表示され、「Ok? [y]」と確認メッセージが表示
されます。

        *** erase data on Disk /dev/sda: 80.0 GB, 80026361856 bytes
            with writing '0' onto the disk
        Ok? [y]:

データを消す場合は、ここで「y」を入力するかエンターキーだけを押
してください。「n」を入力すると最初のメインメニューに戻ります。
「y」を入力した場合は、

        Really? [yes]:

と、しつこく確認メッセージが表示されます。データを消去する場合は、
「y」を入力するか、エンターキーだけを押してください。「n」を入力
するとメインメニューに戻ります。この確認メッセージに「y」を入力
すると、データの消去が始まります。

  データの消去中は、次のように進捗状況が表示されます。

	erasing data on disk: sda.  50% (38208/76320) done
	26 [min] elapsed, 26 [min] remains (approx.)

	    0%|#########################_________________________|100%

	32768+0 records in
	32+0 records out
	33554432 bytes (34 MB) copied, 1.25473 s, 26.7 MB/s

  データの消去に要する時間は、お使いのハードディスクの容量やパソ
コンによって異なります。ハードディスクの容量が小さく、パソコンの
処理速度が速ければ、消去に要する時間は短くなります。

  データの消去が終わると、

        completed

        Press ENTER to return menu...

というメッセージが表示されます。ここで、エンターキーを押すと、最
初のメニューに戻ります。


●データを消去するディスクを選択する

  最初のメニューで「1」を入力すると、次のようなメニューが表示さ
れ、データを消去するディスクを番号で選択することができます。

	*** select a disk to erase data

	    0: Disk /dev/hda: 164.6 GB, 164696555520 bytes
	    1: Disk /dev/sda: 80.0 GB, 80026361856 bytes
	    2: Disk /dev/sdb: 515 MB, 515899392 bytes

	which drive to erase data? [0-3]:


●scriptコマンドによる動作記録の保存

  ディスクの消去を行ったかどうかを、テキストファイルなどに記録す
ることもできます。この場合、「wipe-out」を起動する前に、scriptコ
マンドを使って、操作時のログをテキストファイルとして保存します。
なお、scriptコマンドはディストリビューションによっては利用できな
いかもしれません。また、scriptコマンドの利用方法などは、scriptコ
マンドのマニュアルページを参照してください。scriptコマンドで取得
したログは、再起動前に適切な方法で保存してください。たとえば、フ
ロッピーディスクやUSBメモリにコピーしたり、ネットワーク経由で別
のマシンにコピーするという方法があります。


●バグ

  ハードディスクコントローラ、USBコントローラなどのハードウェア
とOSの相性によっては、書き込みが終了しても、メインメニューに戻ら
ない現象が発生することがまれにあるようです。この場合は、ctrl-Cで
プログラムを終了させてください。


●おことわり

  ・本ツールは、OSとしてLinuxベースのLive CDを利用します。
  ・本ツールは、LinuxベースのLive CDに付属する各種ツールを利用します。
  ・本ツールはフリーウェアです。著作権は、作者である
    いしじま☆だい が保有しています。
  ・本ツールを利用した、あるいは利用しなかったことによって生じた
    いかなる結果についても、作者は責任を一切負いません。


●本ツールの入手方法

  本ツールおよび姉妹品は、作者のウェブサイトで公開しています。ア
ドレスは http://hp.vector.co.jp/authors/VA004814/ です。必要に応
じてダウンロードしてください。


                        ハードディスク消去ツール「wipe-out」v1.0
                                         for Linux-based Live CD
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