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ぱうフォント
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はじめに
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ダウンロード
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インストール
初版: 2003/02/03
最終更新日:
2004/01/31
SLザウルスでも「ぱうフォント」
〜 「ぱうフォント」for SLザウルス・Qt/Embedded 〜
クリックで拡大されます
●はじめに
SLザウルスには「LCフォント」という、
液晶で見やすく読みやすいフォントが搭載されており、
これが標準のフォントとなっています。
たしかにこのフォントは、
特にシステムでつかわれている18ドットや20ドットフォントを太字設定にしていると、
大変読みやすいと思います。
しかし、16ドットのようにそれより小さいサイズでは、
C700では解像度が高すぎて線が細すぎ、すこし見にくくなるように感じます。
やはり、16ドットでも太めで見やすく読みやすいフォントを使ってみたくなります。
16ドットで見やすく読みやすいフォントといえば、
わたしのサイトの
「X-Windowでも使うぱうフォント」
でも紹介している「ぱうフォント」をおいて他にはありません:-)。
「ぱうフォント」は
ぱう氏
が作成された、非常に視認性のよいフォントです。
いつも使っているマシンでこのフォントを愛用していると、
『「LCフォント」以外の見慣れたフォントを使えるようにしてみたい』
という衝動を抑えることはできません(爆)。
●SLザウルスにフォントを入れてみる
SLザウルスでは、文字フォントは
/home/QtPalmtop/lib/fonts/ディレクトリに
置かれています。
フォントの形式は「Qt Prerendered Font (QPF)」と呼ばれる
Qtの形式です。
「ぱうサイト」
で配布されているフォントを、この形式に変換して、
このディレクトリに置いてやれば使えるのではないかと考え、
実際にやってみたところ無事に使うことができました。
(詳細は
変換ソフト
(そのうち掲載;^^)で紹介しようと思います)
●フォントの配布
SLザウルス向け「ぱうフォント」は次のリンクからダウンロードできます。
SLザウルス向け「ぱうフォント」の再配布、改編、転載などの条件は、
「ぱうフォント」正式版に準じるものとします。
フォントの字形情報(グリフ、ビットパターン)の著作権は、
「ぱうフォント」正式版の作者であるぱう氏が所有しています。
なお、正式版については
「ぱうフォント公式サイト」
を参照してください。
●ご注意
フォントのインストールに失敗すると、システムがハングしたり、
工場出荷状態に初期化しなければならない場合もあると思われます。
本フォントをインストールならびに使用する際には、
これらのリスクが生じることを認識し、自己責任のもとでご利用ください。
本フォントを利用したことによって生じるいかなる結果についても、
本ページの作者は一切の責任を負いません。
●インストール
SLザウルスでは、
フォントファイルを/home/QtPalmtop/lib/fonts/ディレクトリに置くと、
「ターミナル」などの「フォント選択機能」のあるアプリケーションで
使えるようになります。
このアーカイブに入っているフォントファイルを展開して、
上記ディレクトリにコピーすればインストールは完了です。
「ターミナル」のコマンドラインを使ったインストールの例を以下に示します。
(念のためすべてのアプリケーションを終了させてからターミナルを起動します)
(gzip と tar でアーカイブを展開します)
bash-2.05$ gzip -d < pawfont104-slzaurus.tgz | tar xvf -
(suコマンドで管理者に変身します)
bash-2.05$ su
(パスワードを設定してある場合は、ここでパスワードを入力します)
(展開した「ぱうフォント」をフォント置き場にコピーします)
# cp pawfont*.qpf /home/QtPalmtop/lib/fonts
(管理者から元の一般ユーザに戻ります)
# exit
(作業が終わったら「ターミナル」を終了します)
bash-2.05$ exit
●使用方法
「ターミナル」を起動し、
画面左上の「フォント」メニューから「フォント」サブメニューを選択します。
フォントのインストールができていれば、
ここに「pawfont」という項目が出てきますので、これを選択します。
●他のアプリケーションでの使用 〜LCフォント詐称〜
SLザウルスのメモ帳その他のアプリケーションでは、
フォントの大きさを選択することは可能ですが、
フォントの種類を選択することはできません。
これらのアプリケーションで使用するフォントは、
「LCフォント」に固定されているようです。
しかし、それらのアプリケーションにおいても、
「ぱうフォント」を強引に使うことが可能のようです。
実際には、システムが「16ドットLCフォント」を参照しようとしたら、
「ぱうフォント」を参照するように仕向けるようにすることによって、
これを実現します。
いってみれば「ぱうフォント」を
「16ドットLCフォント」と詐称(笑)させるのです。
これには、「16ドットLCフォント」を「ぱうフォント」で上書き、
あるいは「ぱうフォント」から「16ドットLCフォント」にシンボリックリンクを張る、
という手段を使います。
設定手順の例を以下に示します。
なお、以下の設定を行う場合は、ターミナルで使うフォントを
必ず
「16ドットLCフォント」および「ぱうフォント」
以外に設定してください。
それから、失敗すると(失敗しなくても何らかの理由で)システムが
ハングしたり再起動できなくなる危険性があります(ぉぃぉぃ;^^)。
(すべてのアプリケーションを終了させてからターミナルを起動します)
(フォント置き場に移動します)
bash-2.05$ cd /home/QtPalmtop/lib/fonts
(suコマンドで管理者に変身します)
bash-2.05$ su
(パスワードを設定してある場合は、ここでパスワードを入力します)
(元からある「16ドットLCフォント」を退避させます)
# mv lcfont_160_50_t10.qpf lcfont_160_50_t10.qpf.orig
(「ぱうフォント」が「16ドットLCフォント」として参照されるようにします)
# ln -s pawfont_160_50_t10.qpf lcfont_160_50_t10.qpf
(SLザウルスを再起動します。shutdownコマンドの代わりに、
画面左下の「Qt」→「再起動」を選んでもいいでしょう))
# shutdown -r now
(このあと、SLザウルスが再起動します
上記設定の後、
「メモ帳」などでフォントサイズが16ドットになるように
フォントサイズを選択します。
なお、元に戻すには、以下のようにします。
この時も、ターミナルで使うフォントを
必ず
「16ドットLCフォント」および「ぱうフォント」
以外に設定してください。
(すべてのアプリケーションを終了させてからターミナルを起動します)
(フォント置き場に移動します)
bash-2.05$ cd /home/QtPalmtop/lib/fonts
(suコマンドで管理者に変身します)
bash-2.05$ su
(パスワードを設定してある場合は、ここでパスワードを入力します)
(「16ドットLCフォント」から「ぱうフォント」への参照を解除します)
# rm lcfont_160_50_t10.qpf
(元からある「16ドットLCフォント」を復活させます)
# mv lcfont_160_50_t10.qpf.orig lcfont_160_50_t10.qpf
(SLザウルスを再起動します。shutdownコマンドの代わりに、
画面左下の「Qt」→「再起動」を選んでもいいでしょう))
# shutdown -r now
(このあと、SLザウルスが再起動します
●アンインストール
インストールしてある「ぱうフォント」を何らかの事情
(たとえば新しい版に入れ換えるなど)で
削除しなければならない場合は、以下の手順をとってください。
-
もし可能であればSLザウルスの全データの
バックアップをとります(おおげさ? ;^^)
-
「LCフォント詐称」を行っている場合は、すべてのアプリケーションで
「16ドットLCフォント」を利用しないように設定します
-
「LCフォント詐称」を解除し、リブート(再起動)をかけます
-
すべてのアプリケーションで「ぱうフォント」を
利用しないように設定します
-
「ぱうフォント」を削除します
●バグ
-
SLザウルスは内部でユニコードを使っています。
このため、オリジナルの「ぱうフォント」では
表示できる文字を正しく表示できない場合があります。
-
「ターミナル」では「±」などの一部の文字が
正しく表示されない場合があります。
これは「ぱうフォント」に限らず、「LCフォント」でも
正しく表示されない場合があります。
-
SLザウルスで利用可能な文字コードに対応する字形が、
すべて正しく表示できるかどうかは、まだ検証されていません。