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ハードディスク消去ツール / よくある質問とその回答
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#対応機種 #ブートしない #UEFI非対応 #64ビット対応 #CDからブートしない #間違えて消したら #RAID対応 #画面が表示されない
#商用利用 #ディスクを認識しない #外付けディスクの認識 #軍用規格 #wipe-out以外で #サポート

初版: 2013-01-16
最終更新日: 2015-07-13



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ハードディスク消去ツール「wipe-out」
超消「わいぷたん」(ちょうけし・わいぷたん)

よくある質問とその回答


ご利用の際はマニュアルやQ&A集も参照してくださいね。
マニュアル本第一版PDF第二版PDF第三版ISOイメージ書き込み方法など(PDF)

●はじめに

本ページでは、 「ハードディスク消去ツール『wipe-out』」について寄せられた 質問とその回答を掲載します。 本ツールについての詳細は、 「ハードディスク消去ツール『wipe-out』」の ページを参照してください。


●対応機種

「○×というマシンで『wipe-out』は使えますか」という質問を ときどきいただきます。

「ハードディスク消去ツール『wipe-out』」のページで紹介している 本ツールは、いわゆる「Windows PC」や「PCサーバ」で動きます。 …って書くとなんかあいまいな定義ですね。 FreeBSD/i386が動作するマシンで動きます、がぴったりな定義です。

おおざっぱに書けば、CD-ROMドライブやUSBメモリ、フロッピーディスクから OSを起動することのできるWindowsパソコン、 ブートキャンプでWindowsを動かせるIntel Macといったところでしょうか。 例外もありますが、 自分がそんなにたくさんの計算機を持っているわけではないので、 どっからどこまでと明確に言えないのが申し訳ないところです。

x86ではない、SunOSやAIX、HP-UXなどのUNIXワークステーションでは動きません。 ただし、分解してハードディスクを取り出した上で、 適切なインターフェイスでPCに接続すれば、 データを消去することは不可能ではありません。


●(現在のところ)UEFIやセキュアブートには対応していません

最近のWindows PCがデフォルトで利用している には、現在のところ対応していません。 パソコンの電源投入直後の起動設定で、それぞれを無効にし、 「レガシーBIOSモード」を利用してください。 これらの起動設定の変更については、 お使いのパソコンの取扱説明書を参照してください。

「レガシーBIOS」の設定例は、以下のとおりです。


● イメージファイルの書き込み方法は

イメージを書き込む方法は こちら見本ページ をご覧ください (PDF)。


●ダウンロード・配布ファイルは

ダウンロードについては こちらをご覧ください。

マニュアルについては こちらをご覧ください。


●ブートしません

ブートしない、というケースは大きく二つに分けると、
  1. wipe-outのCDをセットしたのに、 ハードディスクに入っているWindowsなどがブートする
  2. wipe-outのブート中(OSであるFreeBSDのブート中)に動かなくなる
のいずれかだと思います。

前者なら、パソコンのマニュアルを見て、 起動順序の設定を「CDから」などに変更してください。

起動順序を変更するには、いわゆる「BIOS設定」というのを呼び出します。 パソコンによって呼び出しかたはいろいろありますが、 電源投入後(リセット後)に指定されたキーを押す、 という方法が一般的です。 押すキーは「DEL」だったり「ESC」、あるいはファンクションキーのどれか、 ということが多いようです。
このときに「UEFIセキュアブート」を無効にしておくとよいかもしれません。 お使いのパソコンのBIOS/UEFIの設定を確認されることをおすすめします。
参考: UEFIモードのパソコンで、CD/DVDから起動する方法(まとめ)http://nas-rescue.com/blog/index.php?QBlog-20160427-1

Macで起動先を変更するときは、optionキーを押しながら電源を入れてください。

後者の場合は、どの時点で動かなくなるかで切り分けができます。 FreeBSDは動かないけれども、Linuxなら動く、という場合は、 Linux版を試してみてください。

FreeBSDが動き始めて途中で止まる場合は、 「Safe Mode」にすると大丈夫な場合があります。

また、 そのパソコンのインターフェイスとFreeBSDの相性問題が原因ということもあります。 こんなときは、ハードディスク消去に関係のない インターフェイスなどをBIOS設定で無効にしておくとよいかもしれません。 たとえば、

などです。 また、拡張カードを外すというのも試してください。

これ以外にも

といったことも試してみてください。

○キーボード・マウスインターフェイスがUSBのみの場合

「Escape to loader prompt」でローダを呼び出し、
	set hint.atkbd.0.disabled=1
	set hint.psm.0.disabled=1
としてPS/2インターフェイスを無効にしてから
	boot
でブートする必要があるマシンもあります。

○グラフィックボードでAGPを利用している場合

「Escape to loader prompt」でローダを呼び出し、
	set hint.agp.1.disabled="1"
としてAGPインターフェイスを無効にしてから
	boot
でブートする必要があるマシンもあります。

wipe-outで利用しているOSであるFreeBSDと お使いのパソコンとの相性問題は避けて通れないところがあります。 もし、FreeBSDのインストールCD/DVDからは問題なく起動するのに、 wipe-outは動かない、という場合は、原因はOSではなくwipe-outにあります。 そのような場合はご一報いただければ幸いです。


●64ビットマシンへの対応

メモリが4Gバイト以上ある場合、 「Safe Mode」にしないと動かないことがありました。


●CDからはブートしません

CDからブートできない場合は、 USBブートやPXE(ネット)ブートを試してみてください。


●ISOイメージやUSBイメージの書き込み

CDのイメージであるISOファイルは、 Windows10だとアイコンを右クリックして書き込みを選ぶなどして CD-R/RWに書き込んでください。 Windows7あたりでしたらCD-R/RWをドライブにセットしてから、 アイコンをダブルクリックで書き込めるはずです。 Windows XPだと書き込みツールを使ってください。 マニュアルサンプルページ を参照してください。

USBイメージファイルは「DD for Windows」などの 書き込みツールを用意してください。 なお、書き込みには管理者権限が必要になるかもしれません。
このへん を参照してください。


●間違えて消したんですが、データを復元できますか

無理です。ハードディスク全体を消し終えた場合、 たとえそれが「一回上書き」であっても、 市販されている復元ソフトなどで、データを復元することはできません (でした。わたしが試した範囲では)。

消し始めてすぐに気づいた場合は、電源を切るかリセットして 消去を中断してください。 上書き消去されていないデータについては、 市販の復元ソフトで、復元することができることがあります。 デジカメ画像だけでしたら ExifRescue でどうにかなるかもしれません。

ATA Securityによる「セキュア消去」や SCSI Sanitizeによる「サニタイズ消去」を実行してしまった場合は、 電源を切っても消去を中断できないことがあります (電源を再投入すると、消去が再開されるようです)。


●RAIDカードへの対応

個別にはわかりませんが、 asr(4)ataraid(4)aac(4)amr(4) 、、、 あたりには対応しているはずです(少なくともわたしが試した範囲では)。


●画面が表示されない

一部のノートパソコンなどでは、液晶画面に何も表示されない、 あるいは、表示が乱れるという場合があります。
こういう場合は、VGAコネクタに外部ディスプレイを接続してから、 wipe-outを動かしてみてください。

FreeBSDを「Safe Mode」で立ち上げると、画面表示が正常になった という報告もあります。 「Safe Mode」を使うにはFreeBSD起動時の 「Configure Boot Options...」を選んでください。

シリアルコンソールで別のパソコンから操作するという手段もあります。 シリアルコンソールの利用については、 一部制限事項がありますが USB⇔RS232Cアダプタを利用することが可能です。


●ハードディスクを認識しない

古いwipe-outを新しいパソコンで動かすと、 ハードディスクを認識しないことがあります。 たとえば、v0.8あたりのwipe-outだとSATAハードディスクの認識に失敗するはずです。


●外付けハードディスクを認識しない

USB接続のハードディスクは、 「電源を入れる前から」 接続しておかないと認識しません。 これはUSBフラッシュメモリなども同様です。 なお、ネットワーク接続型のハードディスク(いわゆるNAS)は wipe-outでは直接消去することができません。


●外付けハードディスクの消去に時間がかかりすぎる

残念ながらUSB接続のハードディスクの消去には時間がかかります。 FreeBSDの umass(4) まわりが改善されることを期待しましょう。 また、ATA/USB変換インターフェイスによっては、 消去時間がさらに長くなることもあります。

分解してパソコン本体のATAコネクタに接続して消すという方法もありますが、 これはパソコンの組み立てや分解の経験のあるかたにのみ勧められる方法です。


●wipe-outがあるパソコンでは動き、別のパソコンでは動かない

動かないほうのパソコンを分解して、ハードディスクを取り出し、 wipe-outが動くほうのパソコンにつないで消す、 という荒技もあります。


●シャットダウン、再起動ができない

これもOSであるFreeBSDとそのパソコンの相性問題が原因と思われます。 廉価で有名な某鼻毛サーバの場合、 再起動に失敗することがありました。 電源ボタンの長押しで電源を切って、そのあと電源を入れ直してください。


●軍事規格への準拠や複数回上書きは必要ですか

作者は「原理主義者」ではありませんので、 「家庭やオフィスでの一般的な用途」 においては軍事規格への準拠は不必要と考えています。 少なくとも、市販の復元ツールなどでは、 「1回上書き」 されたデータを復元することはできませんでした。

一回消去だったらデータが復元できるという主張もあるようですが、 残念ながら、作者のような 一般人が再現できる手法でデータを復元できたという話は聞いたことがありません。 (もし、そのような復元方法をご存知でしたら、お教えください)。

作者の主張では甘い、と感じたかたには

ぐらいが落としどころだと思います。


●複数回上書きはできますか

作者は「原理主義者」ではありませんので、 「一回だけの消去しかできない」 という作りにはしていません。 「念入りに消す」で複数回上書きが可能です。

複数回上書きは、 0 (0x00) を上書き・ 1 (0xff) を上書き・ 乱数データを上書き(周期性なし)・ 1kバイト長の乱数パターンを上書き(周期性あり)・ 1kバイト長の乱数パターンの補数を上書き(周期性あり)、 を組み合わせたものをご利用いただけます。

念入りに消す方法のデフォルト設定は、 「1を上書きの後、0を上書き、計2回上書き」です。 上に書いた消しかたの組合せで、 「乱数パターンで上書き→ その補数で上書き→ 乱数データで上書き→ 1で上書き→ 0で上書き」を3回、合計15回上書きをすることもできます。

複数回上書きは、合計2回の上書きから合計15回までの 25通りの組み合わせより選択していただけます。 軍事規格に準拠したいというかたは、それに近いものを選んでください。 どれがどの軍事規格に近いかという説明は、すみませんが、いたしておりません。


●セキュア消去やSanitize Device Featureへの対応

最近のハードディスクには、 記録されているデータを無効にする 「Sanitize Device Feature」規格に対応しているものがあります。 この規格は ANSI(American National Standard Institute)、 情報技術規格国際委員会 (International Committee for Information Technology Standards: INCITS) の技術委員会T10(SCSI)、技術委員会T13(ATA)で規定されています。

残念ながら「現在公開中の」版ではこの規格に準拠した消去方法は 「まだ」使えません。


●消去後のディスクの再利用

「wipe-out」で消去したハードディスクなどは、 原則として再フォーマットすること (領域の割り当てと当該領域のファイルシステム構築) によって再利用できます。 また、Windowsのリカバリディスクなどを用いて Windowsの再インストール(クリーンインストール・リカバリ)などを 行うことも可能です。

ただし、メーカー・機種によっては 再インストール用のリカバリディスクなどが付属しておらず、 「消去前にユーザが自らリカバリディスク(やリカバリ用USBメモリなど)を作成」 しないといけない場合があります。 また、Windowsそのもののリカバリディスクが付属していても、 パソコンに依存する「各種インターフェイスのドライバ」については、 やはりユーザ自身で「ドライバインストール用ディスクの作成」を 行う必要のあるものも存在します。

Windowsの再インストールに先立つ作業としてハードディスクを消去する場合、 さらにその一つ前の段階としてユーザがリカバリ用データを用意 (リカバリディスク・ドライバ収録メディアなどを作成) しなければいけないことがあるかもしれません。 消去前にはメーカーが提供する「リカバリ手順」や「再セットアップ手順」 あるいは「工場出荷時に戻す」といった資料を確認するようにしてください。

また、これらの「リカバリ手順」に関する資料は PDFなどの電子データでしか提供されないこともあります。 事前に印刷する、他のパソコンやスマホなど 別の情報端末で読めるようにしておくなどの 準備も忘れないようにしてください。


●wipe-out以外の方法

みなさんの目標は「ハードディスクなどに記録された情報を消す」こと であって、 「wipe-outを動かすこと」ではないはずです。 といった方法もご検討ください (と、wipe-outの作者が書いていいのかどうかはともかく)。


●商用利用について

「商用利用可能ですか」というご質問を時折いただきます。 ご質問中の商用利用は以下の二つに分類できます。 前者であれば、じゃんじゃん使ってください。 後者は、できればお控えいただければと思います。

ご利用ガイドラインもご参照ください。


●フリーだからサポートしてないんでしょう?

フリーのソフトウェアなので、作りっぱなしでサポートなし、 という誤解が一部にあるようですが、ご質問・ご要望には メールで対応しています。 ご期待に完全にお応えできる保証はいたしませんが、 こちらで可能な範囲で対応させていただいております。


●多くのPCのハードディスクを消したいときは

1枚のCDを複数のPCのデータ消去に利用可能です。たとえば、
  1. n番目のパソコンでCDからwipe-outを起動
  2. メインメニューが表示されたら光学ドライブのイジェクトボタンを押す
  3. n+1番目のパソコンの光学ドライブにwipe-outのCDをセットする
  4. n番目のパソコンで消去を実行
  5. n←n+1
という手順を繰り返します(v0.5以降)。

PXEブート版もお試しください。


●ハードディスクの情報を知りたい

ハードディスクの型番やシリアル番号は、 パソコンを分解してシャーシを見れば書いてありますが、 分解せずに確認したいというご要望があるようです。 また、通算使用時間や不良セクタの発生状況を知りたいということもあるでしょう。 これらのハードディスクに関する情報を知りたいときは、 v1.2で実装した「SMART情報を見る」を使ってください。


●第三者認証やお墨つきはありますか

本ソフトは個人が趣味の範囲で作成しているものであり、 第三者機関や公的機関の認証などを受けてはおりません。 しかし、多くの自治体、教育機関、学術研究機関、企業などで 幅広くご利用いただいております。 厳密なことはともかく、 多くの組織で「それなりに使える」とのご認識をいただいていると考えます。



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